大量の銅板が剥がされた社殿の屋根=佐賀市金立町

大量の銅板が剥がされた社殿の屋根=佐賀市金立町

 佐賀県内の神社で屋根に使われている銅板の窃盗被害が相次いでいる。佐賀市金立町の金立神社では7月に、上宮の社殿から大量の銅板が剥ぎ取られているのが見つかった。県警は今年に入って少なくとも同様の被害を5件確認していて、銅の価格高騰などが背景にあるとみられる。

 金立神社の上宮の被害は1日に登山客が気付き、近くにいた同神社総代会副会長の中原護さん(74)に報告した。屋根の100枚以上の銅板が剝がされていた。長崎自動車道金立サービスエリアから北に約2キロの山中に位置し、普段は無人。建物の裏側や木々が囲む死角の部分が盗まれて、銅板を留めた金具が散乱していた。

 しめ縄を飾るために保管しているはしごが使われた形跡があったという。中原さんは「盗まれることは想像もしていなかった。2030年に大祭を開催予定で、こんなことが起きて非常に残念。修理するにも、足場を簡単に持って行ける場所ではない」と話す。

 5月には佐賀市大和町の神社で同様に屋根の銅板が大量になくなったことが確認されていた。(井手一希)