伊万里市黒川町黒塩地区で計画されている産業廃棄物最終処分場の建設について、深浦弘信市長は1日の定例記者会見で、県が設置許可を出したことを踏まえ、「市民の不安があれば、県が十分に説明してもらいたい」と語った。
計画されているのは九州屈指の管理型最終処分場。市や黒塩地区住民など限られた範囲の地元関係者だけに説明され、3月までに県の設置許可が下りた。深浦市長は「県は直接的な影響がある黒塩地区のみを地元と考えているので、市としてはもっと広く説明するよう求めた」と明かし、黒川町、牧島地区の区長を対象に説明会を開いた経緯を説明した。
6月29日に佐賀新聞が報じるまで、市議会をはじめ市民に広く知らせなかったことについては、「事業に市が直接的に関わるわけではなく、内容を聞かれても十分な回答ができない中では不信感をあおる」と理由を述べた。「議会や市民から説明してほしいということであれば、県につなぎたい」とした。
処理水が伊万里湾に放流されるなど環境への不安について問われ、「感情的には分かるが、湾内の企業はそれぞれに浄化した上で排水基準に合ったものを流している。今回だけ特別(例外)というのはないはず」との考えを示した。
処分場では家庭ごみなど一般廃棄物の埋め立ても計画されているが、「市としては一般廃棄物の新たな処分場は必要ないと県に伝えた」という。(青木宏文)