9日に開設予定の陸上自衛隊佐賀駐屯地(佐賀市川副町)に関し、神埼市の實松尊徳市長は1日の定例会見で、陸自ヘリが神埼市の住宅に墜落した2018年の事故に触れ、「安全面に十分留意して駐屯地を運営してほしい」と述べた。
18年2月、陸自ヘリが千代田町の住宅街に墜落し、小学生1人がけがをし、住宅2軒が炎上。乗員2人が死亡した。實松市長はこの事故に触れ、「日頃から点検を入念にし、意識して安全面への配慮をお願いしたい」と注文した。
地域融和にも言及した。實松市長は、6月29日に開かれた航空自衛隊脊振山分屯基地の開設69周年記念行事に出席したと言い「災害救助の時だけでなく、普段から隊員と交流して理解を深める必要がある」と強調。「国民の1人として、市民と一緒に安全保障について考えていければ」と語った。
佐賀駐屯地が開設すれば、陸自目達原駐屯地(吉野ヶ里町)との往来で神埼市を通るとして、新たな経済活動に一定の期待感を示しつつも、「今はまだ安全面への意識がある」と繰り返し、安全対策の重要性を訴えた。(上田遊知)