神埼市教育委員会は、未就学児が小学校に進学した際になじみやすいよう、幼稚園、保育園、小学校が連携する「架け橋カリキュラム」を実施している。同市千代田町の千代田中部小と校区内にあるちよだ保育園の子どもたちが、オンラインやビデオレターで交流し、親睦を深めている。
文部科学省は義務教育開始前の5歳から小1までを「架け橋期」と呼び、切れ目のない一体的な教育を推奨している。国の指針に沿った県教委のモデル事業に、神埼市教委が初めて取り組んでいる。
千代田中部小校区では昨年度にカリキュラムを策定。今年5月に交流を始め、オンラインで同小の1年生が園児に校歌を披露した。園児たちは「給食は何が人気なの」「どんな勉強があるの」といった質問を学校に送り、その返答として児童がビデオレターを作成。18日に年長児21人が視聴した。
ビデオレターでは児童が模造紙にイラストや地図などを手書きし、「カレーが人気」「国語や図工、外国語、体育などの授業がある」「音楽室にはピアノ、木琴、タンバリンなどの楽器がある」と紹介した。学校の魅力が伝えられるたびに、園児たちは画面に見入っては学校生活を想像していた。
同園の佐藤こずえ園長は「連携を強化することで、安心して小学校に入学することができるようになる」と期待する。
今後、授業参観に園児の保護者が参加して学校の雰囲気を体験する取り組みや、園児の1日体験入学なども検討している。市内の他の六つの小学校区でも、2027年度までにカリキュラムを実施する予定。(上田遊知)