有明海の養殖ノリの種付けに関する基礎研究を手がける佐賀大大学院農学研究科修士2年の植木理子さん(23)が、日本藻類学会で研究成果を報告し、学生発表賞を受賞した。観察方法や産業利用の可能性などが評価された。地球温暖化などの影響で種付け時期に有明海の海水温が適温まで下がらずにずれ込むのが課題になっており、研究は注目を集めそうだ。

 植木さんは農学部の木村圭准教授の指導を受け、2022年度から佐賀県有明水産振興センターと共同研究をしている。ノリ種を放出するカキ殻に赤色LED(発光ダイオード)を当てると、カキ殻の中にある「殻胞子嚢(かくほうしのう)」の成熟が遅れることが近年分かり、そのメカニズムを調べている。