「シンニーア」という名称をご存知でしょうか? 60代以上のシニア層の方が新しいNISA(ニーサ)を積極的に活用することを指す造語だそうです。資産運用(新NISA等)の提案を行っていると、シニア層の方からは、「新NISA(投資)は長期運用前提だから今から始めても意味がないよね」と利用を躊躇(ちゅうちょ)される声や「他の人はどうしているの?」といった質問を受けることがあります。その際は金融庁が公表しているデータをお伝えしています。
NISAの利用状況調査(2024年9月末時点)で、NISA口座数は60代369万口座、70代286万口座となっており、新NISAが開始した9カ月間で60代は50万口座、70代は23万口座増加しています。また、NISA買い付け額は60代約2・5兆円、70代1・7兆円です。シニア層の方による利用が、NISA口座数・年代別買い付け額ともに全体の約3分の1を占めている状況です。退職金といったまとまった資金を持つシニア層の多くの方が新NISAを活用して老後の資産形成を行っておられ、また、投資信託を中心に利用されていることが分かります。
最近は65歳以上の方に限定して「プラチナNISA」という新たな制度をつくり、新NISAでは対象外の「毎月分配型」の投資信託を加える見直し案が検討されるなど、シニア層の方の資産運用をさらに支援しようという動きもあっております。人生100年時代、多くのシニア層の方が資産運用を行っておられます。(佐賀銀行営業統括部主任調査役・三岳肇)