「坂井市長が騒いでいます。9条指定の件です」。今年の冬、防衛省幹部が国会議員らに相談した。
「9条指定」とは駐屯地設置による生活環境への影響軽減を目的に、防衛省の交付金を充当できる「特定防衛施設関連市町村」の指定を指す。スポーツ施設整備といったハード事業や、子ども医療費助成などソフト事業に幅広く使える。
2023年2月、坂井英隆市長が配備を受諾した“鍵”が、この9条。副大臣が指定に前向きな発言をすることで譲歩した。ところがその後、交渉は停滞。市長は「はしごを外された思いを抱えていた」という。