第10回県高校ものづくり溶接競技大会が14日、佐賀市鍋島町の県工業技術センターで開かれた。溶接を担う人材の育成と技術の向上を目的とした大会で、県内の工業系高校7校から過去最多の36人が出場した。
生徒たちは4班に分かれ、2枚の鉄板を接合する課題に挑戦。金属を仮止めする「タック溶接」から、仕上げとなる「本溶接」、さらに競技材の清掃までを30分以内で行い、精度や仕上がりの美しさを競った。
昨年優勝した鳥栖工業高3年の松下彩花(さやか)さんは「溶接の面白さは一つ一つの工程に集中できるところ。曲げたときに割れたりしないように丁寧につなげた」と手応えを語った。審査会は7月に行われ、表彰式は8月を予定している。
県溶接協会と県が主催した。同協会の松尾良伸事務局長(70)は「溶接技術は、国内産業の重要セクションの一つ。競技を通じて産業技術への興味や理解を深め、将来的には県内企業への就職につながれば」と期待を込めた。上位5人が8月に宮崎県で開催される九州大会に出場する。(辻恵美)