佐賀地検へ向かう会社代表を乗せた車両=17日午後0時49分、佐賀市の佐賀南署

 佐賀県警は17日、大町町のふるさと納税事業の贈収賄事件を巡って加重収賄の疑いで逮捕した町農林建設課副課長の古賀壯容疑者(60)=同町大町=と、贈賄の疑いで逮捕した業者側の会社代表の男(67)=江北町佐留志=を送検した。

 送検容疑は、2023年度のふるさと納税事業に伴う業務委託の公募型プロポーザルに関し、当時企画政策課長だった古賀容疑者が会社代表の男に他の業者の企画提案書を提供するなどし、23年2月2日ごろまでに会社代表の男から10万円を受け取った疑い。

 加重収賄罪は、公務員が職務に関して賄賂を受け取るのに加え、職務上不正な行為をした場合などに適用される。事件では、古賀容疑者がプロポーザルで秘密事項だった企画提案書を不正に業者側に提供したなどとされている。

 町によると、企画提案書はA4サイズ20~30枚程度で、会社概要や委託料、目標達成の対策、作業工程などが記されていた。企画政策課の担当職員の机で無施錠で管理し、持ち出しの確認は行っていなかった。プロポーザルの審査員は8人で、古賀容疑者も含まれていた。(井手一希、沖田日和、秋根紗香)