AIにはない「思考力」の身につけ方

 「いちごのしょうゆをちょうだい」3歳(さい)くらいの子どもが言いました。これはどんな意味でしょうか?
 この子は「しょうゆ」の存在(そんざい)を知っています。「しょうゆ」は「たべものにかけておいしくするもの」という認識(にんしき)です。「いちごをおいしくするものが欲(ほ)しい」けれど、その名前を知らない。だから考え、「しょうゆ」という言葉を使って、いちごにかける「コンデンスミルク」を自分なりに表現(ひょうげん)したのです。このことこそが「ことばの力」と「思考力」で、問題を解決(かいけつ)することだと著者(ちょしゃ)は語っています。
 私(わたし)たちは変化の激(はげ)しい時代に生きています。今ある職業(しょくぎょう)が数十年先にはなくなっている可能性(かのうせい)もあるのです。そんな時代を生(い)き抜(ぬ)くために何を身につければいいのか、AIにはなく人間だけにあるものは何なのか、ことばの学びはなぜ大切なのか。認知(にんち)科学、認知心理学を研究している著者が、自身の著書(ちょしょ)『親子で育てることば力と思考力』を10代向けに書き直し、やさしく解説(かいせつ)しています。
(司書ネットワーク課 秋吉千春)

ほかにもこんな本をおすすめ!
◆ふしぎなことばことばのふしぎ
 池上嘉彦/著(筑摩書房)

◆論理的思考力が育つ10歳からのおもしろ!フェルミ推定
 横山明日希/著
 こざきゆう/文
 柏原昇店/絵(くもん出版)

◆こどもプレゼン教室
 前田鎌利/著(宝島社)

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