九州電力は13日、定期検査中の玄海原発3号機(玄海町)について、同日午後4時に原子炉を起動したと発表した。14日に臨界に達する予定で、15日に発電を再開する。主蒸気系統の弁に不具合が見つかって点検を実施した影響で、再開は当初より12日遅れる。通常運転の復帰は7月10日を見込む。

▼▼

 3日に蒸気配管設備の検査で使った弁の不具合で、蒸気漏れが確認された。九電は、弁に異物が入り込んだことが原因と推定した。不具合が発生した弁を含む計4台の弁を分解して点検を行い、部品の一部を予備品に取り換えた。今後の定検では、水を流して異物を除去するなどの再発防止に取り組む。

 九電は「安全・安定運転に万全を期すため、一つ一つの作業を丁寧に進めていく」としている。

 九電は13日、佐賀県や玄海町など関係自治体に調査結果や再発防止策を報告した。県庁には九電の畠埜恭介原子力管理部長らが訪れ、県側は「再発防止の徹底」「スケジュールありきでなく、全ての作業を慎重の上にも慎重に行う」「小さな不具合を減らす努力を行う」ことを申し入れた。(松岡蒼大、横田千晶)