佐賀市の県立美術館で開催中の「梧竹・蒼海顕彰第33回佐賀県書道展」(佐賀新聞社主催)で7日、審査委員長の九州国立博物館館長・富田淳さん(65)=福岡市=のギャラリートークが開かれた。富田さんは審査の感想や上達するためのポイントを語り、約100人が熱心に聞き入った。
富田さんは「それぞれのジャンルで力作が集まっていた。感動した作品を選んだ」と審査を振り返った。大賞を受けた同市の江島稲香(とうこう)さん(84)の少字数書「雲海」については、「余韻と奥深さが大変優れている。余白を取った場所の意外性も成功している」と解説した。
作品づくりに関しては、書風に合った印を使うなど、「最後の最後まで神経を使って」とアドバイスした。上達の近道として「書の作品をたくさん見て、書以外の芸術作品も見ること」を挙げた。
嬉野市長賞を受賞した武雄市の古川将甫さん(34)は「余白の取り方など、審査の観点を聞けて勉強になった」と話した。
県書道展は10日から後期の展示が始まる。会期は14日までで、入場無料。問い合わせは佐賀新聞プランニング内の事務局、電話0952(28)2151。(花木芙美)