戦国時代に北部九州を治めた龍造寺隆信の拠点として知られる白石町堤の須古城跡から、龍造寺に滅ぼされた前城主・平井氏の時代の土師器(はじき)や中国製磁器が出土した。平井氏は関連文献が少なく不明な点も多かった。出土品は幕府とのつながりを示唆する貴重な資料で、専門家は平井氏が「相当な勢力を持っていた可能性がある」と推測する。

 須古城の築城時期は不明で、室町時代に一帯を支配した領主・平井氏の居城だった。1574(天正2)年に龍造寺隆信が平井経治(つねはる)を滅ぼし、改修を重ねたとされる。町は城跡の国史跡指定を目指し、2023年から発掘調査を進めている。