みずほグループ子会社のみずほポシェット(東京)は、アプリを活用した金融教育授業を佐賀市の佐賀大附属小で初めて実施した。アプリではゲーム感覚で社会でのお金の流れや商売の仕組みなどについて学ぶことができる。今後、全国の学校現場に広げていく考えだ。
同社は子どもたちに金融についての知識を楽しみながら身に付けてもらおうと、ゲーム大手セガの子会社とアプリを共同開発し、昨年に実証実験を行った。みずほ銀行佐賀支店が佐賀大附属小に同社を紹介。4月のアプリ正式リリース後、最初の学校現場での授業となった。
5月22日に行われた最初の授業は4年生100人が受けた。みずほポシェットの小原綾子社長らが、アプリの画面を電子黒板に映し出しながら授業をし、児童らはアプリ内で架空の店の経営を体験した。客が欲しそうな商品や数量を考えて仕入れ、もうけを考慮して値段を付けた。結果、商品は売れたものの利益がいまひとつだったことを受け、児童らは「もっと高く値付けすればよかった」などと話し合った。小原社長は「佐賀の街で起こっているいろいろなことが、物価にどう影響するかを考えてみて」などと助言した。
授業を受けた鶴田獅音さんは「ゲーム感覚で商売の利益とか仕入れを学べるのはすごい。物価の上がり下がりや輸入が勉強になった」と話した。授業は4~6年生を対象に来年2月まで続き、2回目以降はお金が社会で回る仕組みや為替などについても学習する。
アプリは授業で使うほか、希望者に家庭でダウンロードして活用してもらう。同社は「金融教育へのニーズが高まる中、親子で楽しみながら継続して学習できるアプリ。全国の小学生にお金について学んでほしい。学校の授業が学びの要素をさらに深める。子どもたちの成長を楽しみにしてほしい」と期待する。(北島郁男)