佐賀市(さがし)の諸富(もろどみ)北小3年生36人が、絶滅(ぜつめつ)の危険(きけん)がある珍(めずら)しい渡(わた)り鳥(どり)「コアジサシ」を観察しました。5月28日、日本野鳥の会の会員に教わりながら、学校の近くで育つひなや親鳥の様子を見守りました。

双眼鏡でコアジサシを観察する子どもたち=佐賀市諸富町の諸富浄水場跡地
コアジサシはカモメの仲間です。5年前、同市諸富町の諸富浄水場跡地(じょうすいじょうあとち)に飛んできていることが分かりました。一昨年にはここから、全国で最も多くのひなが巣立ちました。

コアジサシの親鳥から魚をもらうひな=佐賀市諸富町の諸富浄水場跡地(撮影・米倉義房)
今年も100羽(わ)以上のひなが育つと期待されています。順調に育てば6月中旬(ちゅうじゅん)から、親鳥と一緒(いっしょ)に、南半球のオーストラリアやニュージーランドに向かって飛び立ちます。
日本野鳥の会佐賀県支部(さがけんしぶ)長の宮原明幸(みやはら・あきゆき)さん(71)によると、開発や地球温暖(おんだん)化のためコアジサシの卵(たまご)を産む場所が減(へ)っているそうです。宮原さんたちは浄水場跡地で、カラスやネコから守るために、ネットを設置(せっち)したり隠(かく)れる場所を作ったりしてあげています。

宮原明幸支部長の授業を受ける生徒たち=佐賀市の諸富北小

実物大のコアジサシの模型を手にする児童=佐賀市の諸富北小
双眼鏡(そうがんきょう)や望遠レンズで観察した子どもたちは「遠い国から佐賀に来てくれるコアジサシに毎年会いたい」と話していました。