藤田倫太郎さん

 幼い頃、家族でイカを食べに訪れた思い出の地で初の部長を務める。唐津の海は好漁場でレジャーが盛んとの印象を持ち、「海難防止活動や密漁の取り締まりなどを通して美しい海を守る」と力を込める。

 北九州市出身。1年の浪人を経て入学した海上保安大学校で、パイロットの道に進んだ。2008年の岩手・宮城内陸地震ではヘリの機長として山間部の孤立者を空輸した。上空での任務で培った「物事を俯瞰(ふかん)的に捉える意識」が今の仕事に生きているという。

 主に警備救難分野を歩み、巡視船の航空長や運用司令長などを歴任。対馬海上保安部の警備救難課長だった15年9月、長崎県対馬沖で漁船5隻が転覆し5人が死亡した事故に対応し「助かった3人が着用していた救命胴衣の重要性を改めて感じた」と胸に刻む。

 妻、子どもとの3人暮らし。唐津やきもん祭りで買った朝鮮唐津のおちょこで地酒を楽しむ。(松岡蒼大)