佐賀県を舞台にした映画「ら・かんぱねら」で主演を務めた俳優の伊原剛志さんが27日、ロケ地になった佐賀市の浪漫座でライブとトークショーを開いた。撮影を支えたスタッフやファンに恩返しをしようとステージに立ち、アンコールでは映画と同じノリ漁師姿で、難曲「ラ・カンパネラ」のショートバージョンをピアノで演奏した。
伊原さんはユーチューブなどで歌声も披露しており、今回は初めての単独ライブとして開催した。映画を支援する会が提案して実現し、約140人が来場した。
「おかえり」と声援を受けて登場した伊原さんは、安全地帯の「じれったい」や井上陽水さんと奥田民生さんの「ありがとう」などを力強く歌い、支援する会の女性メンバーがバックダンサーを務めて会場を沸かせた。アンコールの「ラ・カンパネラ」では一音一音を丁寧に弾き、妻役の南果歩さんに笑顔でグッドポーズを決める場面を再現した。
トークショーでは自身の幼少期や支援する会との思い出を振り返り、「撮影時の温かい炊き出しは思い出深く、映画をきっかけに佐賀に多くの友人ができてうれしい。映画を日本全国に広めていきたい」と話した。
映画の大ファンという母と訪れた田中浩子さん(56)=佐賀市=は「伊原さんの演奏は映画を思い出し、とても感動した。佐賀を盛り上げる心温まる映画を多くの人に見てほしい」と笑顔を見せた。
映画は、佐賀市のイオンシネマ佐賀大和やシアター・シエマをはじめ、全国で上映されている。(坂本有佐)