先日のニュースで、証券口座が乗っ取られ、勝手に株が売買される被害が報じられていました。被害者は、老後のために蓄えてきた大切な資産を、一瞬で失ってしまったとのことです。

 原因は「詐欺被害が出ているので確認してください」という、実際に取引している証券会社を装った案内メールでした。そこに記載されたリンクからアクセスしてしまい、表示されたのは見慣れた画面。不審に思うこともなくIDとパスワードを入力してログインしてしまい、その数時間後から不正な取引が始まり、短時間で多数の売買が行われたようです。

 最近では、AIを使った自然な文章によって詐欺メールの文面にも違和感がなくなってきています。また、偽サイトも本物と見分けがつかないほど精巧に作られており、判断がますます難しくなっています。

 こうした被害から自分自身を守るには、もう一段階上のセキュリティー対策が求められます。たとえば「2段階認証」を設定するだけでも、不正ログインのリスクを大幅に減らすことができそうです。