「庶民の気持ちが全く分かってない」「消費者が苦しんでいる時に何てことを言うんだ」―。江藤拓農林水産相が佐賀市内の講演で「私はコメを買ったことがない」などと発言したことを受け、米価高騰にあえぐ佐賀県内の消費者からは19日、大臣の資質を問う憤りの声が相次いだ。与党の国会議員も「発言は不適切」と指摘し、野党議員は国会論戦で追及する構えを見せた。

 伊万里市のコイン精米所で玄米を精米していた自営業の男性(78)は「品不足や値上がりで困っている人の声はたくさん聞く」とした上で、「大臣は1円でも安くと思ってスーパーを回っている人の気持ちを全く分かってない。消費者が苦しんでいる時に何てこと言うんだ。そりゃ怒るよ」とうんざりした表情を見せた。

 買い物帰りの佐賀市の60代女性は「ありえない。コメを買ったことがなかったら、庶民の気持ちは分からないんじゃないか」とあきれた。コメの値上がりに「本当に家計に響く」。食事に麺類を取り入れて工夫しているという。

 別の70代女性も「自分で実際に買いに回ってみたらどうか。どんなにみんなが困っているか」と話し、備蓄米について「放出している割にはなぜ店頭に回ってこないのか。どういう流れになっているか過程を調べてほしい」と注文した。