江戸時代の人気浮世絵師、葛飾北斎と歌川広重ー。佐賀新聞社は創刊140周年を記念し、2人の巨匠が競演する特別展「北斎・広重 大浮世絵展」を7月11日から佐賀市の佐賀県立美術館で開く。代表作から貴重な肉筆画まで200点を超える県内最大規模の構成で、“巨匠対決”を楽しめる。会期は8月31日まで。
葛飾北斎(1760~1849年)は、荒れ狂う大波をダイナミックに捉えた名作「神奈川沖浪裏(なみうら)」を含む「冨嶽三十六景」で知られる。斬新な構図と繊細な描写、鮮やかな色彩で強烈な印象を与え、後の浮世絵師にも大きな影響を与えた。
歌川広重(1797~1858年)は「東海道五十三次」で風景画の第一人者として名をはせ、宿場の風景や旅人の様子を詩情豊かに描いた。特別展では、印象派の画家ゴッホが模写したエピソードで有名な「名所江戸百景」も展示する。
見どころは、2人に共通する「東海道五十三次」の比較展示で、浮世絵の奥深さや作風の違いを堪能できる。
佐賀新聞社が主催し、浮世絵コレクターの中右瑛(なかう・えい)さん(国際浮世絵学会常任理事)の監修で、企画協力はステップ・イースト。
前売り券は6月10日から佐賀新聞社などで販売する。一般1100円、小中高生500円、未就学児無料。問い合わせは佐賀新聞プランニング、電話0952(28)2151=平日午前9時半~午後5時半。
佐賀新聞紙上では今後、九州さが大衆文学賞出身で浮世絵をテーマにした時代小説を手がける作家の梶よう子さんのインタビューを特集し、肉筆浮世絵の解説などを連載する。(清川千穂)