唐津市呼子町で民間による呼子朝市通りの再生プロジェクトが動き出している。呼子と縁のある県外企業が中心となり、古民家が飲食店や宿泊施設などに生まれ変わる。かつて捕鯨で繁栄した風景を取り戻す思いを込めて「鯨の町興し」をプロジェクト名としていて、23日にはかき氷専門店がオープンする。
民芸輸入卸・小売り業の「アミナコレクション」(横浜市)を中心とした取り組みで、創業者は唐津市坊主町出身で2016年に亡くなった進藤幸彦さん=享年77。次男で社長のさわとさん(49)が遺志を引き継いで親子鯨の山車を制作し、戦前ごろまで催されていた「呼子くんち」の復活(22年)につなげた。
進藤さわとさんは、打ち合わせで呼子に何度も足を運ぶうちに、地域が国の重要伝統的建造物群保存地区(伝建地区)の選定を目指す古い町並みの空き家問題に着目。「山車を奉納するだけでいいのか。過疎化が進み、山車を曳(ひ)く人がいなくなってしまわないか」と思い、朝市通りの古民家6軒を21~23年に購入した。