基山町の基山小(天野雄二校長)で19日、不審者対応訓練があった。東京都の立川市立小学校で男2人が教室などで暴れて教職員にけがを負わせた事件を念頭に、校内に侵入した不審者への対応や児童の安全な誘導を確認した。
訓練は、佐賀県警防犯アドバイザーの平尾昌晃さん(65)と鳥栖署の大坪貴史生活安全係長が講師を務めた。不審者役が2年生の教室に侵入して刃物を持って暴れ回るという想定で、教職員は児童に避難を促した後、手にした椅子や机を不審者役に向けて距離を取ったり刺股で動きを封じたりした。
平尾さんらは「捕まえに行こうとしないで、まずは距離を保つ」「刺股だけでなく、体全体で相手の腕や足を押さえる」などとアドバイスした。8日に発生した立川市の事件を受け、網で拘束するネットランチャーを使って不審者を取り押さえる訓練も実践した。
初期対応をした担任の中村友香教諭は「子どもたちが冷静になるよう指示をしながら、不審者に対応するのが難しかった。相手の凶器に合わせて、距離をうまく取る必要ある」と振り返った。2年生の内田結衣さんは「不審者は怖かったけれど、静かに廊下に出て逃げた」と話した。
基山小では、2001年に大阪府の大阪教育大付属池田小で起きた校内児童殺傷事件を受け、不審者対応訓練を毎年実施している。(樋口絢乃)