外来植物を抜き取る参加者=神埼市郡の吉野ケ里歴史公園

「抜き取り競争」がスタートし、駆け出す参加者

オオキンケイギクを駆除する参加者=佐賀市の多布施川沿い

オオキンケイギク

 繁殖力が強く、生態系に影響を及ぼす外来植物を駆除する活動が、佐賀県内で実施された。地域に根付いた在来の植物を守ろうと、ゲーム形式の抜き取り競争や、NPO法人などが連携した除去活動が行われた。

■ 吉野ケ里歴史公園、セイヨウヒキヨモギやセイタカアワダチソウなど計200キロ

 ○…吉野ケ里歴史公園(神埼市郡)は18日、園内の在来種保護を目的に「外来植物抜き取り競争」を開いた。ボランティア14人が4チームに分かれ、セイヨウヒキヨモギやセイタカアワダチソウなど200キロ以上を集めた。

 園内では職員が外来植物を駆除しているが、セイヨウヒキヨモギなどが急増しているため、ゲーム形式のイベントを昨年から実施している。制限時間は20分で、参加者はスタートを告げるドラの音に合わせて一斉に駆け出し、手で植物を抜き取って袋に集めた。

 参加した親子は「会場に着いたときはたくさん生えていて驚いた。20分間で目に見えて外来植物が減ったのでよかった」と話した。

 吉野ケ里公園管理センターの久富学センター長は「外来植物が急増している状況を肌で感じてもらえたのでは」と語った。(沖田日和)

■ オオキンケイギク大幅減 駆除活動3年 佐賀市の多布施川沿い

 ○…佐賀市の神野公園近くの多布施川沿いで17日、特定外来生物に指定されている「オオキンケイギク」の一斉駆除が行われた。活動は3年目で、以前に比べて数が大幅に減り、駆除の成果が出ているという。

 オオキンケイギクは北米原産の多年草で、5~7月ごろに黄色い花を咲かせる。繁殖力が強く、2006年に特定外来生物に指定された。栽培や運搬、販売などが禁止され、罰則も設けられている。

 佐賀市のNPO法人「SATOMORI」(田中和生理事長)のメンバーや市職員、ボランティアら約20人が参加した。川沿いを分担して回り、スコップでオオキンケイギクを根から抜き取って袋に集めた。

 SATOMORIの中原正登さん(63)は「きれいな花なのになぜという人もいるが、繁殖力が強くて生態系に大きな影響を与える。1年目は途方に暮れるような状況だったが、明らかに数が減っていて効果はある」と話す。(古川浩司)