作曲家で電子オルガン奏者の久米詔子(のりこ)さん=佐賀市=が、第23回日本歌曲コンクール(日本歌曲振興波の会主催)の作曲部門で最優秀賞に輝いた。日本語の美しさを生かしたノスタルジックなメロディーで、高い評価を得た。
同コンクールの詩部門の入賞作に曲を付けて応募する形式で、久米さんは優秀賞を受けた山口理々子さんの「夏のおわりに」に曲を書いた。ソプラノ歌手の西村晴子さん(同市)のために曲をつくろうと歌詞を探す中で募集を知り、挑戦した。
夕暮れ時に幼少期に思いをはせる歌詞で、久米さんは「読んだだけで情景が浮かんだ」といい、言葉のリズムやアクセントを意識して作曲した。「夏の思い出」などで知られる作曲家・中田喜直さんから受けた「日本語の響きを大切に」とのアドバイスを生かし、口ずさみやすく風景が思い浮かぶ作品を完成させた。
8月12日に東京都で表彰式が開かれ、審査員長の新実徳英さんらが作品を講評して受賞作が演奏される。久米さんは「一流作曲家の評価を聞き、演奏を聴くのが楽しみ」と心を躍らせている。11月16日には佐賀市の浪漫座で、久米さんと西村さんの共演で同曲を披露する。(花木芙美)