Q 佐賀弁で「メノハ」って何のこと?

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 A 共通語の「ワカメ(若布)」のことを、佐賀では「メノハ(布ノ葉)」という。

 元来、「ワカメ」は、『万葉集』にも「ひたがたの磯の和可芽(わかめ)のたちみだえわをかまつなもきぞも今宵も」(一四)とあるように、古来ある名である。この「ワカメ」「アラメ」「コンブ」などの総称を「メ」といったことは、『万葉集』に「しかのあまは軍布(メ)苅り塩焼きいとまなみ櫛笥(くしげ)のをぐしとりもみなくに」(三)などでもわかる。

 しかし、「ワカメ」が「メ」の代表であったことは、『字類抄』に「和布、メ。海藻。メ」とあり、『天治字鏡』にも「海滲、女、和布」とあるのでわかる。佐賀方言の用法は、ここらに起源するように思われる。

 ■出典:志津田藤四郎著「佐賀の方言」(佐賀新聞社刊)