「佐賀県職員が職場で私用スマートフォンを充電している」と県庁に内部通報があった(写真はイメージ)

 県職員が職場で私用スマートフォンを充電している―。佐賀県庁の公益通報制度(県民窓口)にこんな内部通報があった。通報者には、県庁舎の電源を私的利用することへの問題意識があるとみられる。通報を受理し、調査した弁護士は「法令に違反する行為」との意見を付記した報告書を県に提出した。県は私用携帯が緊急連絡網に使われている実態などを踏まえ、「直ちに違法とは言えない」との見解を示している。

 県民窓口は2月25日、「県職員が私用スマホの充電のために県庁舎内の電源を使用している」との内部通報を受理し、担当弁護士が調査した。通報通り、管理職の職員が私用スマホを充電している事実を確認した。

 佐賀新聞が県への情報開示請求で入手した報告書によると、弁護士は「法令に違反する行為であり、当該職員に限らず、他の職員に対してもあらためて相応の注意喚起が必要と考える」と意見を付記している。

 一方、県は今回の事案について実際には注意喚起していない。県人事課は「管理職として私用スマホが緊急連絡手段になっていて、公務での使用が想定されている」とし、「庁舎内で充電することが直ちに違法とは言えない」との立場だ。

 県によると、課長以上には公用携帯が支給されているが、各部局の緊急連絡網には全職員の私用番号を掲載している。仕事相手に対しても私用携帯でやりとりしたり、調べ物でスマホを使ったりするケースがあるという。

 人事課は「私用スマホの充電が直ちにNGとは考えていない。報告書の意見も受け止めた上で、現場の実態を踏まえて対応した」としている。(山口貴由)