陸上自衛隊目達原駐屯地(吉野ヶ里町)は18日、地域住民や関係者ら約4100人を招いて、創立71周年の記念行事を開いた。佐藤洋司令は愛知県の航空自衛隊練習機墜落事故について「ご心配をおかけした」とした上で、「常に前進する気概を持って責務を完遂する」と誓った。
式典で佐藤司令は、7月9日に開設予定の佐賀駐屯地(仮称、佐賀市川副町)に触れ、「今回が県内唯一の陸自駐屯地としての最後の記念行事になる」とあいさつした。「我が国は戦後最も厳しく複雑な安全保障環境下に直面している」とし、自衛隊の責務を果たしていくと強調した。
式典後、ヘリコプター13機による編隊飛行があり、近くを通ったり機敏に向きを変えたりするたびに、会場から歓声が上がった。戦車や水陸両用車などの特殊車両の展示もあった。
隊員の制服に袖を通して自衛官と記念撮影した佐賀市の井上唯さん(20)は「隊員に話しかけると優しく丁寧に対応してくれた。国のために頑張る姿がかっこいい」と興奮気味に語った。装備を試着した荒木敬太さん=神野小3年=は「結構重くて隊員さんはすごいと思った。将来は(同駐屯地に務める)お父さんのようなかっこいい自衛官になりたい」と目を輝かせていた。
新設される佐賀駐屯地には、目達原駐屯地のヘリ約50機と部隊員500~600人が移駐を計画しているが、時期は明示されていない。(上田遊知)