ドラマの撮影風景=吉野ヶ里町の金乗院

マフーズ・ムハンマド監督=吉野ヶ里町の金乗院

役者に演技指導をするマフーズ・ムハンマド監督(右)=吉野ヶ里町の金乗院

 シンガポールの国営放送局で放送されるドラマが13日から17日まで、佐賀県内で撮影された。九州からシンガポールに渡った実在の女性をモデルにした歴史ドラマで、明治の日本を舞台にしたシーンを佐賀市や吉野ヶ里町など4市町でカメラに収めた。

 ドラマ「ハラニシ・ズバイダ」は、数多くのヒット作を手がけるマフーズ・ムハンマド監督(50)が、自身の先祖をモデルに制作する。主人公が幼少期を過ごした明治後期の風景を探して、県フィルム・コミッションのロケ地紹介サイトにたどり着き、佐賀での撮影が実現した。

 ムハンマド監督をはじめ、カメラや音響の技術者ら7人が佐賀を訪れ、25人の日本人スタッフが撮影をサポートした。吉野ヶ里町の金乗院では15日、主人公が後にシンガポールで再現を試みる千歳(ちとせ)あめを食べるシーンなどを鳥居の前で撮った。

 ムハンマド監督は「佐賀の風景は美しい。写真を見て愛し、撮り始めてさらに愛が深まった」と笑顔を見せ、「日本の人は、シンガポールやマレーシアでコミュニティーをつくって生きていた。それ伝える重要な役割を持つドラマになる」と語った。ドラマは来年1月から放送される。(花木芙美)