連携協定を結んだ脇山伸太郎玄海町長(左)と甲斐直美県教育長=玄海町の唐津青翔高

ワークショップで町の活性化に向けたアイデアを出し合う唐津青翔高生と町民

 玄海町の唐津青翔高の魅力向上に取り組む行政、高校、地域のコンソーシアム(共同事業体)が発足した。同校に進学する町内の中学生の割合が減少して定員割れが続いており、人口減少に危機感を抱く町が主導して設立。生徒の探究的な学びを地域ぐるみで支援し、同校と町の活性化につなげる。

 町、高校、地域商社の三者で事務局を構成する。町は専属職員として地域おこし協力隊1人を採用し、デジタル教育など四つの分科会を設けて高校生と地域の関係性を深める取り組みを協議していく。10日に同校で設立総会が開かれた。

 同校には県北部で唯一、総合学科があり、全国から生徒を募集する「地域みらい留学」にも2023年度から取り組んでいる。校舎を改修し、eスポーツルームなどを設置する計画もある。

 設立総会では生徒や町民ら約30人が参加してワークショップも開き、リアルRPG(ロールプレイングゲーム)や若者に自然を伝えるツアーなど、町の活性化に向けたアイデアを出し合った。

 地域みらい留学で同校に通う埼玉県出身の2年住吉海珀(みはく)さんは「玄海町に来てよかったと思える活動を地域の人と一緒にできれば」と話した。

 コンソーシアムの設立に伴い、県教育委員会と町は活動体制の構築と推進に向けた連携協定を結んだ。甲斐直美県教育長は「地域での協力体制が広がっていく新しいかたちが生まれることを心強く思う」とあいさつ。脇山伸太郎町長は「若い人で盛り上がるまちづくりにつなげたい」と述べた。(松岡蒼大)