室町時代から600年以上続いてきた能楽。現存する最古の舞台芸術として知られる能の重要な要素となる謡(うたい)を、観世流能楽師の多久島法子さん(43)に教わった。(花木芙美)

謡の基礎から解説する多久島法子さん=佐賀市の井内能舞台

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 習ったのは「高砂や-」の有名なフレーズで始まる一曲。夫婦愛を描き長寿を願う能の演目「高砂」で謡われるこの曲は、結婚式や誕生会などめでたい場で親しまれている。今に伝わる約250の演目の中には実在の人物が出てくる物語も多く、高砂には阿蘇神社(熊本県)の神主が登場する。