中林梧竹「雙鉤誰上石」(70歳代後半、館蔵)

 当館は1999(平成11)年に図書館との複合施設「桜城館(おうじょうかん)」として開館しました。旧小城藩主の庭園であった桜の名所小城公園の入り口に位置しています。外観は瓦ぶき、白壁の2階建てで和風のたたずまいです。1階が図書館、2階が歴史資料館、中林梧竹記念館となっています。

 歴史資料館の常設展示室では小城市の歴史や文化を原始・古代から現代にいたるまでさまざまな資料で紹介しています。企画展示室では前年度に収蔵した資料を展示する「新収蔵品展」、市内を拠点として活動する芸術家の作品展やワークショップを行う「空・創・感-現代を描く郷土の表現者たち」、市内の遺跡から出土した考古資料を展示する「小城を掘る展」、佐賀大学附属図書館所蔵の小城鍋島文庫を活用した「佐賀大学との交流事業展」、市内の小学生3年生を対象にした「むかしの道具にみる くらしのうつりかわり展」などの企画展を開催しています。

 中林梧竹記念館は、小城出身の明治の書聖中林梧竹(1827~1913年)の作品と遺品を展示しています。記念館では年3回作品の入れ替え、収蔵品展を行っていますが、7年度第1期の収蔵品展は梧竹の漢詩・自作詩作品を紹介した「吾が書は是我書なり-梧竹の自作詩-」で、8月31日まで行います。

 梧竹は漢詩の名手でもあり、自作詩を「書に対する思い」「旅情(中国)、(国内)」「ふるさとへの思い」「別離」「季節」「心境」の六つのテーマに分けて展示を行いました。収蔵品展のテーマである「吾が書は是我書なり」は梧竹が70歳代後半に独自の書風、連綿草書を創ったことを高らかに宣言した詩の一節です。梧竹の強い自負がうかがえます。書一筋に生きた梧竹を代表する作品の一つです。今回の展示で梧竹の自作詩に込めた思いと書の表現の関係性の妙を味わっていただきたいと思います。

▼「吾が書は是我書なり-梧竹の自作詩-」は8月31日まで(休館日=6月10日、7月22日、8月12日、但し6月9日は開館)

小城市立歴史資料館、中林梧竹記念館 開館時間=午前9時~午後5時 休館日=月曜日、祝日(ただし、こどもの日、文化の日は開館)、年末年始(12月29日~1月4日)、(休館日についてはあらかじめご確認ください) 入館料=小城市立歴史資料館は無料。中林梧竹記念館は200円(団体10名以上180円)、学生以下無料。駐車無料(図書館と共有)。小城市小城町158番地4、電話0952(71)1132