来場を呼びかける多久島法子さん(左)と若柳寿菊さん

 観世流能楽師の多久島法子さん(福岡市)と寿菊派若柳流家元の若柳寿菊さん(同)が、初心者向けの企画「はじめての伝統芸能」を開く。能と日舞の共通点や違いを語り、日本の伝統芸能を身近に感じさせる。

 築100年の古民家で、トークに実演を交えて能と日舞の魅力に迫る。きりりとした能の直線的な動きと日舞の柔らかくしなやかな表現を比較し、お互いの歴史や成り立ちも紹介する。

 多久島さんは唐津市出身の祖父と父に続いて能楽師になり、人間国宝の大槻文藏さんに師事。東京芸術大在学中、安宅賞を受けた。神埼市で毎年「能に親しむ会」を主催していて、3月の名護屋城大茶会では能「松浦佐用姫」を披露した。

 若柳さんは4歳で初舞台を踏み、日本舞踊教室子どもから大人まで指導する。昨年12月には福岡市の博多座で、三代目若柳寿菊の襲名披露公演を開いた。

 多久島さんは「同じ曲で演じ方の違いを見せるなど、互いの魅力を引き出す会にしたい」と話していた。(花木芙美)

 

 ▼唐津市西城内の多久島邸で、6月1日午後2時半開演。100人限定でチケットは3千円(茶菓子付き)。問い合わせは多久島さん、電話070(5400)8322。