4月は入社式や入学式、季節の花々などの写真が多く見られ、華やかな紙面でした。一方、ミャンマーで起きた大地震やウクライナ情勢、ガザの現状、戦後80年の特集などから世界情勢について考えさせられる記事も多く見られました。

 22日付の記事でローマ教皇が死去したことを知りました。「壁は決して解決策にならないが、橋はいつでも解決策となる」と訴え、対話での解決を望まれていました。私たちの生活にも通じるものがあります。

 20日付の記事には佐賀女子短大での交流会が掲載されていました。学生と職員が全員参加し、テーマに沿って日本語で話すそうです。留学生には日本語を話す良い機会になり、日本人学生にとって知り合いが増えるきっかけになると思います。欲を言えば、難しかったことをもう少し聞き出してほしかったです。

 14日付にはインドネシアの方が太良町消防団に入団したとありました。技能実習生を終え帰国後、特定技能ビザで再度来日されたそうです。地域の方や職場の方との良い関係ができているのだと思います。既存のコミュニティーに入っていくのは、日本人でさえ勇気が要ることです。団員の方の声もあれば、他の地域で考えていらっしゃるところへのヒントになると思います。日本人も外国人も一緒に地域づくりに取り組むことは今後必要になると考えます。

 22日付の「ひろば 読者の声」には、フィリピンの方が投稿されていました。初めは一人だったけど、友達がたくさんできてうれしかったことが書かれていました。小学校との関係の良さが見られました。12日付の記事では、有田工高に県外から5人の生徒が入学したことが掲載されていました。少子化に悩む公立校と地方で学びたい生徒をつなぐ仕組みがあるそうです。地域の方が生徒たちを支えていくとあり、すてきな取り組みだと思います。

 佐賀県にはいろいろなところから来られた方が暮らしています。異なる文化背景を持つ人たちが共に暮らすには、お互いを知ることから始まると考えます。12日付のウクライナ支援の記事で、避難民の現状を知ったのが佐賀新聞の記事だったと書かれていました。記事がつないだご縁だと感じました。

 新聞の魅力は自分の興味がない分野にも目が向けられることです。インターネットの情報では自分の欲しい情報だけを集めることができます。しかしながら、物事は多面的に見ないと考え方に偏りが出ます。例えば世界情勢に対して、佐賀で暮らす私たちにどんな影響があるかをさらに掘り下げるともう少し身近に感じるのではないかと思います。記事を通じて世界とつながり、また地域とつながることができる。記事は「橋」になることができると思います。(まえだ・ともこ、上峰町)