「未来のため、新しい取り組みを」と推されて会長に就任し、トップが10歳以上若返った。「地域の福祉を守るためには人材確保が喫緊の課題」とし、働く人にとって魅力的な職場づくりに取り組む。
嬉野市塩田町の社会福祉法人「済昭園」の母体である寺に生まれた。大学卒業後に愛知の寺で修行した後、現在は施設長を務める済昭園の養護老人ホームに介護職として就職。業務効率化の必要性を感じるようになった。
「ムダ・ムリ・ムラ」をなくすため、記録システムの電子化や見守りセンサーの導入、人工知能(AI)を活用したケアプランの作成支援など現場のデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進した。「選ばれる職場」を目指し、交流サイト(SNS)での発信にも力を入れる。
結果は採用時に表れ、「先進的な取り組みをSNSで見て希望しました」と言われたことも。若い世代の出番が増え、やりがいにもつながっているという。「県内の施設全体でDXを進めたい」と抱負を語る。
趣味はスポーツ観戦で、自分で体を動かすのも好き。飼い犬の世話や散歩で癒やされている。3児の父。(矢野耕平)