佐賀県内では珍しい山陰地方特産のベニズワイガニ専門店が、武雄市の武雄温泉駅南口そばで営業している。同市出身の石倉優一郎さん(35)が「九州と山陰の食文化の架け橋になりたい」と昨年10月に開業。営業時間などを見直し、4月に新たなスタートを切った。
石倉さんは福岡や大阪で住宅関連の仕事をしていた24歳の時に、妻の出身地の島根県松江市に移住。自動車ディーラーで営業の仕事に就いた。得意先だった鳥取県境港市の水産卸会社に出入りするうちにベニズワイガニに興味を抱き、武雄に専門店を開くことを決意。昨年2月に退職して故郷に戻ってきた。
営業先だった境港市の水産卸会社の協力を得て昨年10月、産地直送のベニズワイガニを提供する「カニの武丸」を開いた。カニを食べながら昼から飲める店として始めたが、昼の客数が伸び悩んだため、いったん店を閉めて営業方針を見直した。
再開した4月からは木~日曜の営業とし、木曜は午後5時半から、それ以外は午前11時~午後2時半と同5時半からの2部制。ボイルしたほぐし身以外に、焼きガニ、カニ刺しもある。石倉さんは「武雄の人たちに本場のカニを味わってもらいたい」と店をPRする。(澤登滋)