大型連休恒例の第121回有田陶器市が29日、有田町で開幕した。初日は晴天に恵まれて朝から大勢の買い物客が訪れ、主催する有田商工会議所によると22万人の人出でにぎわった。人手不足や原材料価格の高騰など有田焼業界を取り巻く環境は厳しいが、幸先のいいスタートに関係者の顔もほころんだ。
コロナ禍後の再開から今年で4回目になる陶器市。過去3回の初日はいずれも雨に見舞われただけに、さわやかな朝を迎えて準備する人々の心も弾んでいた。
開会式で深川祐次・有田商議所会頭(67)は「本当にいい天気でお買い物日和。素晴らしい焼き物を用意していますので、お気に入りの一品を探してください」とあいさつ。県警音楽隊や子どもたちのオープニングパレードで気分を盛り上げた。
JR上有田駅から有田駅まで約3キロの通りに歩行者天国を設け、一帯を中心に約400の焼き物店が並んだ。店の数は以前と比べて減った一方で、最近の消費傾向に合わせてレジャー化が進み、飲食店など焼き物以外の店が増えている。
同町中の原にメキシコ料理のタコスの屋台を初めて出すイバン・エスピンドラさん(48)は「有名なフェスティバル。たくさんお客が来てくれるのを待ってます」と話した。
佐賀地方気象台の予報では、30日以降も晴れの日が多い。有田商議所は5月5日までの期間中、100万人を超える人出を見込んでいる。(青木宏文)