戦争をテーマにした多くの映画の中で、印象に残るのはベトナム戦争を扱った「プラトーン」。ジャングルで撮影したシーンは人間の狂気を引き出す戦争の怖さがリアルに描かれ、胸に迫る。それもそのはず。この映画はベトナム戦争の帰還兵であるオリバー・ストーン監督の体験に基づいて作られた◆ベトナム戦争は1975年4月30日に終わる。きょうは終戦から50年の節目。ただ、映画を見たせいか、何のために争ったのかという思いを強くする。米軍の兵士はなおさらだろう◆戦争は国と国の争い。戦争を始めた責任は国のトップにある。だが、トップは自らの手を汚すことはない。傷つき、苦悩するのはいつも、戦争の最前線にいる兵士だ◆きょうはナチス・ドイツの独裁者アドルフ・ヒトラー(1889~1945年)が自らの命を絶った日でもある。この日からほどなくして独ソ戦は終わりを告げる。結局、戦争を始めるのも終わらせるのも国のトップ次第◆近年は強権的なトップが増えてきたと感じる。権力は時に暴力となる。目的達成のために手段が正当化されることもある。先日亡くなったローマ教皇フランシスコは弱者に寄り添い、2019年に広島を訪れた際は「真の平和は非武装の平和以外にあり得ない」と訴えた。こんな人が国のトップだったらいいのに…。(義)
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