有田工業高の江口琴菜さんがデザインした陶器市のポスター

 第121回有田陶器市(有田商工会議所主催)が29日~5月5日、有田町のJR上有田駅から有田駅までをメイン通りにして開かれる。年に1度の蔵ざらえで、約400の店がさまざまな商品を普段より安く販売する。飲食店など焼き物以外の店も充実し、多くの人でにぎわいそうだ。(青木宏文)

■イベント・展示会 名物「朝がゆ」/万博にちなみ展覧会も

朝がゆで提供される干支入り碗

 オープニングパレードは29日午前9時半、県警音楽隊や子どもたちが泉山を出発し、メイン通りを佐賀銀行まで行進する。スコットランドの伝統楽器バグパイプの楽団は5月4日に登場し、午前10時40分に泉山をスタートする。

 皿山商店会の名物企画「朝がゆ」は毎日午前6時から、札の辻交差点広場で1日300杯販売する。干支(えと)のへびを描いたオリジナルの碗(わん)が付いて600円。午前5時半から整理券を配る。

 アリタセラ(有田焼卸団地)はお楽しみ抽選会を開く。1万円分の買い物で1回くじを引くことができ、旅行券や各店舗で使える商品券が当たる。

 全国から183点の応募があった有田国際陶磁展。美術工芸品・オブジェ部門の入選作を九州陶磁文化館、産業陶磁器部門の全出品作を県陶磁器工業協同組合で展示する。産業部門は販売もある。

深川製磁チャイナ・オン・ザ・パークに展示される「色絵龍鳳凰文蓋付大壺」

 深川製磁チャイナ・オン・ザ・パークでは大阪・関西万博にちなんだ展覧会を開いている。「万国博覧会と佐賀との縁(ゆかり)」と題し、創業者の深川忠次が1900年のパリ万博に出展した「色絵龍鳳凰文蓋付大壺」などを展示。3日午後1時半からは九州陶磁文化館の鈴田由紀夫館長による解説がある。

■雑貨・グルメ 佳子さまが着用で注目 有田焼のイヤリング限定販売

佳子さまが身に着けて話題になった「器とデザイン」の有田焼イヤリング。陶器市で限定販売する

 陶器市は近年の消費傾向に合わせてレジャー化が進み、雑貨の店や飲食店が増えている。

 秋篠宮家の佳子さまが身に着けていたことで注目を集めた有田焼のイヤリング。製作した「器とデザイン」の店舗(有田町大樽)では、現在購入が困難になっているイヤリングとピアスを期間中に限定販売する。

 飲食店は常設店を合わせると100店以上あり、さまざまな食を楽しめる。

 有田駅前の歩行者天国にはキッチンカー約10台が並び、佐賀銀行前の大型休憩所に地元の飲食店が出店する。トンバイ塀通りのカフェでは、有田焼の文様を描いた紙コップで飲み物を提供する。

 アリタセラ(有田焼卸団地)にもキッチンカーや屋台が並ぶ。人気のオリジナル商品「トンバイ羊羹」は数量限定で販売する。

 黒牟田応法地区の窯元では陶彩弁当が味わえる。各窯元の器に飲食店の料理を盛り付け、器代込みで3000円。事前予約が必要で、電話は梶貞窯=0955(42)3532、伯父山=同(43)3141、瑞峯窯=同(43)2241。

■受け入れ態勢 佐賀銀行前の常設トイレを拡張 

 多いときは1日20万人以上が訪れる陶器市。誰もが快適に買い物を楽しめる環境づくりも進んでいる。 

 トイレは仮設を17カ所に設置。利用者が多く行列ができていた佐賀銀行前の常設トイレを拡張した。授乳室も設置場所を増やした。

 飲食物などのごみは、コロナ禍以降は持ち帰ってもらっていたが、大型休憩所がある札の辻交差点と佐賀銀行前の2カ所に集積所を設けた。

■アクセス

 

 JR九州は期間中に臨時列車を運行する。特急、快速、普通を1日14~20本走らせる。

 駐車場は公営、私営合わせて8200台以上。公営(16カ所、約4200台)の駐車料金は1000円。町内の各所をつなぐシャトルバスを運行する。

 問い合わせは有田商工会議所、電話0955(42)4111。

■Web陶器市 新作や割引商品3万点以上出品

 「Web有田陶器市」は今年で6回目。町内の商社や窯元など約70業者が、新作や割引商品など3万点以上を出品する。26日午前9時にオープンし、5月7日午前0時まで販売する。

https://www.arita-toukiichi.or.jp/web/shop/