川に暮(く)らす淡(たん)水(すい)魚(ぎょ)たちは普(ふ)段(だん)どんなものを食べていると思いますか? 種類によってさまざまですが、多くは水生昆(こん)虫(ちゅう)や藻(そう)類(るい)などを食べる雑(ざっ)食(しょく)性(せい)か、ウナギやハゼ、ナマズといった肉食魚で、草食の淡水魚というのは珍(めずら)しいんです。完全な草食ではありませんが、アユやカネヒラ、ワタカなどは草食の傾(けい)向(こう)が強い魚です。今日紹(しょう)介(かい)するのはそんな草食の淡水魚です。
今日紹介するのはソウギョ! 子どもは雑食ですが、漢字で「草魚」と書く通り、大人は水草や陸生植物を主食にしている草食の魚なんです。日本では水草駆(く)除(じょ)のために放流された外来魚で、福(ふく)岡(おか)や佐(さ)賀(が)でも時々見かけます。今では水草を食(く)い荒(あ)らして問題になっており、長野県の野(の)尻(じり)湖(こ)では1匹(ぴき)1万円の懸(けん)賞(しょう)金がかけられていたほどです。
とはいえ、ソウギョが繁(はん)殖(しょく)できるのは距(きょ)離(り)が長~い川だけで、日本では今のところ関東の利(と)根(ね)川(がわ)でしか繁殖できていません。佐(さ)賀(が)県(けん)では筑(ちく)後(ご)川(がわ)周辺や佐賀城(しろ)周辺で見ることができますが、特に佐賀城のものは昔に比(くら)べて数が減(へ)っているように思えます。もしかすると放流されたものが寿(じゅ)命(みょう)で死んでいっているのかもしれません。
水草駆除のために放流され、水草を食い過(す)ぎて問題視(し)される、かわいそうな魚ですね…。放流で物事を解(かい)決(けつ)しよう! というのは考えものです。