
与那国島の西崎(いりざき)=2019年6月、沖縄県与那国町(小型無人機で撮影、沖縄タイムス社提供)
「台湾有事」を念頭に置いた沖縄県・先島諸島の避難計画に関し、佐賀県は与那国島で暮らす与那国町民を受け入れる。日本最西端の地で、防衛政策上の重要拠点と位置付けられる人口1700人の町。どんな町だろう。山口祥義知事が7、8の両日に訪問するのに合わせ、「国境の島」を訪ねた。
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海沿いを車で走ると、馬がわが物顔で道路をゆっくり歩いていた。ブレーキを踏んで横切るのを待つ。横目には海が広がり、水平線が見える。白いチョウ「オオゴマダラ」がひらひらと飛ぶ。潮風を感じながら、のんびりと時間が過ぎる。

路上をわが物顔で歩く与那国馬。背後の琉球文化を思わせる赤瓦の施設は与那国駐屯地=沖縄県与那国町

路面を歩く与那国馬=沖縄県与那国町
佐賀県から約1200キロ。6日午後6時過ぎ、福岡空港から沖縄県の石垣空港を経由し、与那国空港に降りた。半袖で過ごせる気温。クバやソテツといった植生に南国を感じる。レンタカーは潮風の影響で所々さびている。24時間営業のコンビニはなく、商店は早々と閉まり、人工的な明かりは少ない。飲食店探しにも苦労する。暗く静かな夜に、虫や鳥の鳴き声が聞こえる。