デジタル人材の派遣を手掛けるクリエイティブリソースインスティチュート(略称CRI、東京都)が伊万里市に事業所を開設することになり、18日に市と進出協定を結んだ。市周辺部にある市の遊休施設を買い取って再利用し、地域の魅力や人材を生かしたビジネスを展開していく。10月から事業を始める。
同社は2000年に広告制作会社として創業し、現在はITやコンテンツ制作の技術を生かした企業課題の解決、人材派遣を主な事業としている。都内の他に福岡市にも拠点があり、従業員数は241人。
2年前から名村造船所伊万里事業所のシステム開発に人材を派遣し、事業拡大を見込んで進出を決めた。デジタル人材の育成や情報発信など新たなビジネス展開も計画している。当面は20人態勢を想定し、15人を配置転換、5人を地元から新規採用する。
進出先は黒川町にある旧市林業研修センターで、21年に利用者の減少を理由に廃止された後は遊休施設になっていた。土地建物の購入額は約400万円。矢澤宏樹社長(53)は「どの場所でもネット環境さえあれば仕事はできる。社員の中には東京より地方で、自然の中で働きたいという人は多く、適した場所を選んだ」と話す。
深浦弘信市長は「IT企業の地方進出の在り方として一つのモデルとなってほしい」と期待を寄せた。(青木宏文)