昨年10月のレスリング世界選手権で優勝した山梨学院大4年の小野正之助選手が15日、母校の鳥栖工業高(鳥栖市)でレスリングを指導した。高校時代に培い、世界を制した技術を全国制覇を目指す後輩たちに伝授した。
小野選手は世界選手権のフリースタイル61キロ級に出場。東京五輪57キロ級金メダルのロシア人選手や、世界王者の経験がある米国の選手を破り、頂点に立った。
昨秋の佐賀国スポに出場を予定していたが、恩師の小柴健二監督から世界選手権への出場を勧められ、悲願の世界一に。「感謝の気持ちを直接伝えたい」と母校での練習に参加した。
小柴監督に教わり、磨いてきた技を実演しながら解説し、「自分の足を相手の目線から外すようにして動かそう」などと具体的にアドバイスした。指導を受けた3年の吉田悠耶(ゆうや)さんは「すごくありがたかった。自分の技にして試合で使っていきたい」と目を輝かせた。
小野選手は昨年12月から約3カ月間渡米し、「日本とは違う魅力を感じた」という。4月下旬から大学を休学して米国に留学し、全米大学体育協会(NCAA)王者を目指す。夢の五輪出場を見据えたチャレンジに、「優勝することだけを考えて米国に行く」と決意を語った。(小部亮介)