佐賀県は17日、今年3月に卒業した県内高校生の就職内定者のうち、県内就職した割合が66・3%(速報値)だったと発表した。約3分の2の生徒が県内就職していて、県が目標とする65%以上を維持した。「県内企業を選択肢に入れてもらう取り組みを今後も進めていく」としている。
県産業人材課によると、就職内定者1898人のうち、県内への内定者は1259人。前年度の67%から0・7ポイント下がったものの、目標の65%は達成した。「高校生と県内企業の接点をつくる事業の成果が出ている」とみている。
県は、人材流出に歯止めをかけようと2019年度に県内就職率を引き上げる取り組みを始めた。県主催で高校生を対象にした合同企業説明会を開くなどしている。18年度は57%だったが、その後、県内就職率は上向いている。
昨年度からは高校生や保護者、教員向けに県内企業を訪問するツアーを始めた。仕事の現場や会社の魅力を知ってもらう機会をつくるためで、本年度も実施する予定。保護者からは「地元就職を考えた」と評判も良かったという。
産業人材課は「県内は人材不足で求人も多い。まずは学生に県内企業を知ってもらい、県内就職率をさらに積み上げていければ」としている。(中島幸毅)