梅の花が終わり桜や桃、アーモンド、果樹に加えて野草や野菜の花も次々と咲いて、楽しく美しい季節です。草の成長も早くなり、草刈り機を担いで畑に向かいます。わが家ではビニールマルチを使わないので、タマネギやニンニク、エンドウ類と足元の草も丁寧に刈っていきます。
久しぶりに読んだ農学者・福岡正信さんの『わら一本の革命』には「農家はずっと草との闘い」とありました。もうひとりの自然農の実践者として知られる川口由一さんは「草や虫を敵とせず」と言います。
自然農といえば無除草と思われますが、作物を収穫するには放任ではなく、必要なときに対応します。草は刈ってその場に置いておく。そうすると、そこで朽ちて次の命へとめぐってゆくのです。積み重なる草の亡きがらが豊かな土となり、私たちの命となります。
草を刈るのは大変で、何度刈っても、また伸びてくるため、“闘い”のようにも思えます。ごみを増やすこともなく、その場ですべて完結しますからありがたいものです。(地域リポーター・一ノ瀬文子=鹿島市)