佐賀市の緑ドレスメーカー服飾専門学校の創設者で、デザイナーとしても第一線で活躍した谷口緑さんの「偲ぶ会&回顧展」が15日、佐賀市の佐賀新聞社ギャラリーで開幕した。オープニングセレモニーには関係者約70人が訪れ、谷口さんとの思い出を振り返りながら業績をたたえた。
佐賀県の山口祥義知事は「緑さんの99年の人生は、佐賀に大きな功績を残してくれた」と振り返った。佐賀新聞社の中尾清一郎社長は「最高の知性を持った人だった。佐賀新聞社の特派員としてフランス・パリのコレクションを見たことが、デザイナーとしての飛躍になっていればうれしい」と述べた。
会場入り口ではシルクロードをイメージした作品「敦煌」が出迎え、久留米絣(がすり)の「蘭亭」なども展示されている。服飾に懸けた人生をパネルで紹介している。
来場した谷口さんの教え子で障害者の技能を競うアビリンピックに日本代表で出場した山﨑聡美さん(64)=大町町=は「緑先生には厳しく愛情を持って指導してもらった。世界大会ではたくさん励ましてもらった」と懐かしんだ。
企画した谷口さんの長男で佐賀デザイナークラブ協会会長の谷口陽堂さん(78)は「思いもよらぬ人との再会や知らなかった母のエピソードが聞けてうれしい」と話した。
谷口さんは「緑洋裁研究所」(後の「緑ドレスメーカー服飾専門学校」)を佐賀市に立ち上げ、佐賀の服飾業界に貢献した。今年2月、99歳で亡くなった。
会期は19日まで。開場は午前10時~午後5時半(最終日は正午まで)。(坂本有佐)