熊本地震の「前震」から14日で9年となるのを前に、2度の震度7を観測した熊本県益城町で講演会が13日開かれ、昨年1月に起きた能登半島地震で被災した石川県能登町のグラフィックデザイナー池崎万優さん(31)が「過去の被災地の人が支えてくれた」と話し、被災地同士のつながりの意義を語った。
2021年に独立したのを機に古里にUターンした池崎さんは、昨年の地震で自宅が液状化などの被害を受け、3カ月間避難所で生活。断水が続く中、熊本や東日本大震災で被災した東北から「恩返ししたい」と支援に来た人たちに励まされたことを紹介した。
地元では町内会の結束の強さが被災時に役立ったと振り返り「能登町を元気にして、次に災害があれば自分も駆け付けたい」と話した。
講演会を主催した熊本地震の語り部、吉村静代さん(75)=益城町=は「被災地の責任として語りつぐことが減災につながる」と訴えた。
熊本地震では14日の最初の激震「前震」と16日の「本震」で、益城町では史上初めて震度7を2度観測した。