記者会見する政府地震調査委の平田直委員長=9日午後、文科省

 政府の地震調査委員会は9日、定例会合を開き、3月に発生した地震について議論した。ミャンマー中部の大地震で日本でも、離れた場所まで伝わりやすい「長周期地震動」が確認されたことについて、平田直委員長は会合後の記者会見で「距離が遠いため(揺れの大きさを示す)階級に分類されるような揺れになっていない。日本に被害はなかった」と説明した。

 平田氏によると、防災科学技術研究所や気象庁の観測で、地殻を伝わる「表面波」の揺れが国内に到達したことが分かった。ミャンマーの地震では震源から千キロ離れたバンコクで建物が倒壊し、長周期地震動が関わったとみられる。

 会合では、国内で最大震度4を観測した地震も議論。鹿児島県では3月9日に発生し、震源地の奄美大島北東沖付近では地震活動がやや活発になり、3月末までに震度1以上の地震が計12回確認された。時間の経過で回数は減少している。

 19日には石川県志賀町で震度4の地震があり、震源地は能登半島沖だった。2020年末から続く一連の地震活動とみられ、今後も警戒が必要という。