八頭司昂さんの「herbarium」

中学生と描いた旧体育館の壁画

「佐賀さいこうフェス」で来場者とともにカラーボールで彩色したCAPのイメージマーク

「アート開拓事業」の懸垂幕

 佐賀のアートシーンに新風を吹き込もうと、佐賀大学の学生を中心に「Cultivation Art Project(CAP)」と題した活動が進む。活動の成果発表として開くグループ展「アート開拓事業」では、メンバーの中から7人が、絵画、映像、立体造形などそれぞれの分野の作品を並べる。

 同事業は、移転で使われなくなった佐賀市与賀町の旧佐賀清和学園「啓明寮」を「アート葉隠」と名付け、芸術家の制作や交流の場にしようと今年5月ごろから佐賀大の芸術地域デザイン学部の学生を中心に活動している。これまで、敷地内の旧体育館の壁を使った中学生の描画体験や、「佐賀さいこうフェス」での参加型オブジェ制作などを行い、今回はメンバーのグループ展を開いている。

 同大教務補佐の八頭司昴(たかし)さん(27)の「herbarium」は、3畳ほどの元守衛室の全面に白の下地に明るい緑で藤の花などをモチーフにした植物を描く。八頭司さんは「僕だけの心地よい空間をイメージした。この空間でそれぞれに何か感じてもらえたら」と話す。

 芸術地域デザイン学部2年の玉江紗央理さん(19)はインスタレーション「我楽多」。近所の人から提供されたガラクタに色を塗って配置した。同2年の石丸圭汰さん(20)は、会期中に洋画「制作中」の制作風景を公開する。描いている自分も、見ている来場者も「生の感覚を大切にしたい」という。

 地域デザイン研究科2年の町田聡子さん(23)は、立体構造物の「practice」を、旧体育館に展示する。角材の角をつなげたオブジェは、いつ壊れるか分からない脆弱(ぜいじゃく)な基盤にたつ不安定さを表現する。文化教育学部4年の江藤すみれさん(21)は、「電柱々」と題してさまざまな電柱の写真を集める。佐賀市のイラストレーターmegumiさん(23)は、廊下突き当たりの空間に柔らかくカラフルな形を描き、芸術地域デザイン学部2年の岩崎千万理さん(19)は、木からこぼれ落ちる水を映像にする。

 CAPは、「アート葉隠」という建物の可能性を「開拓」しようと始まった。活動をまとめる八頭司さんは、「ここをいろんな人が使いたいと思える場所にしたい」と話している。

 ▼11月5日まで、佐賀市与賀町の旧啓明寮の「アート葉隠」で。期間中は、会場2階の八頭司さんのアトリエを公開するほか、最終日の5日午後4時からは、福岡アジア美術館学芸員らが最新のアジアのアートシーンを報告するトークイベントもある。駐車場スペースが限られるため、公共交通機関や、佐賀大駐車場の利用を。

 

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