当選が確実となり、万歳三唱する南里隆さん(右)=23日午後9時52分、小城市牛津町の本町公民館

 5期20年かじ取り役を務めた現職の引退に伴い、新たなリーダーを選ぶことになった今回の小城市長選。賛否を問うような大きな争点がなく、各候補が掲げる市の将来像にも大きな違いが見られない中、市民は約40年の県職員生活で培った南里隆氏の経験と手腕に市の将来を託した。

 副知事も経験した南里氏の実績を評価する声は多かったが、本格的に動き出したのが1月からと、競り合った高塚誠氏よりも出遅れた。ただ、県職員時代から貫く現場主義で丁寧に市民の声を拾い上げ、地元・牛津町のほか、候補者不在の大票田・小城町でも一定の票を掘り起こすなどした。

 合併後初の首長交代となることで、選挙戦では旧小城郡4町の地域格差や融和についても論戦のテーマに上がった。人口が集中する北部と格差解消への不満がくすぶる南部の“地域対抗戦”の様相も呈し、市議や県議、国会議員や知事も絡んで市を二分する激戦となった。とりわけ知事は南里氏支持を全面に打ち出し、選挙結果に一定の影響を及ぼした可能性がある。

 小城市は財政状況が厳しく、行政の停滞は許されない。激戦となった選挙のしこりを残さずに、南里氏が選挙戦で打ち出した「オール小城市」を実現させられるか。一体感の醸成が、新市長の最初の課題となる。(古川浩司)