嬉野温泉の源泉水位の低下を受け、佐賀県は源泉所有者に対して揚湯(ようとう)量(くみ上げ量)の節減を要請した。湯を使う旅館側の節湯で水位低下は小康状態を保っており、源泉と旅館などを結ぶ配湯管の破損箇所の修繕も進められている。今後、深刻な事態に陥らないために、官民がスクラムを組んだ源泉保護の取り組みが続く。

 嬉野温泉の管理者である県が1日当たりの使用量の目安としたのは「全体で2800トン以下」。旅館など源泉を所有する14者に対し、昨年8月と12月に文書で示した。日量3200トンをくみ上げた昨年1~3月に過去最低水位を観測したため、使用量のピーク前に数値目標を示した。